離婚経験がある方へのアンケート結果では、離婚後に特に苦労した事柄について次の様に集計しています。
生活費 |
37.7% |
役所等の手続き |
27.6% |
子どもの養育費 |
21.9% |
住む家 |
21.7% |
子供への影響 |
17.6% |
(複数回答)出典:離婚に対する意識調査 インターワイヤード株式会社
アンケート結果に見られるように、離婚後は経済的苦境が避けられません。離婚後の生活を考慮して、しっかりした金銭的な取決めが必要です。
離婚時に取り決める費用について
慰謝料・養育費・財産分与・年金分割・婚姻費用・離婚後扶養費
●財産分与は離婚後2年以内、慰謝料は3年以内に請求しなければ、時効により権利を失います。
離婚を切り出され、または切り出してから成立するまでには時間がかかる場合も多いです。既に別居状態にある場合は、収入の多い方から他方へ婚姻費用を分担する義務があります。
これらを当事者間で取決め、離婚に至るのが協議離婚です。当事者間での合意が出来ない場合は家庭裁判所の調停、さらに審判・裁判での解決を求めることとなります。
●裁判所の判決・慰謝料認容額(引用)判例タイムス788号
0円 |
34.6% |
100万円以下 |
10.6% |
100万円〜200万円以下 |
18.6% |
200万円〜300万円以下 |
20.3% |
300万円〜400万円以下 |
2.6% |
400万円〜500万円以下 |
10.6% |
500万円以上 |
2.6% |
※平均額=190万円
最近の離婚・再婚の状況 離婚後の再婚再婚率
離婚した当初は、「とても再婚を考える余裕はない」「二度と結婚などしない」と考えられる方も多いでしょう。お子さまを抱えて離婚された方は尚更です。
しかし近年、離婚した男女は以外に早く再婚する事実が見えます。2010年度の人口動態調査では、離婚した女性は15%が1年未満、43.4%が1年〜5年で再婚しています。男性も、17.7%が1年未満、42.8%が1年〜5年で再婚しています。
男女とも約60%の人達は離婚後5年以内に新たな結婚生活をスタートさせています。
最近「離カツ」「ステップファミリー」という言葉も耳にするようになりました。結婚や離婚についての考え方も大きく変わって来ました。離婚や再婚をポジティブに捉える方が多くなっています。
離婚原因:配偶者に原因がある場合 配偶者への慰謝料請求
配偶者の不貞行為・酒乱・DV・ギャンブル等が原因で離婚を考慮の場合、既に別居中なら、内容証明郵便を利用し慰謝料請求通知で支払いを求めましょう。精神的な苦痛の賠償を慰謝料として求めます。
また離婚を決意の場合、慰謝料支払いを養育費・婚姻費用・財産分与・年金分割・離婚後扶養費と共に離婚協議書案に記載して、相手方と交渉する事も可能です。
そして、一括ではなく分割での支払いの場合、この契約書を公正証書にされるのがBESTな対応です。特に養育費は子供にとって、月毎の支払いが離婚した親の愛情確認ともなります。
相手方に資力が無く、慰謝料を長期分割で支払いを受ける場合などは連帯保証人を付けたり公正証書にすることで将来の不安を軽減出来るでしょう。公正証書は公証人役場で作成します。
当事者間で口約束だけでの支払い約束の場合、「
半年後には8割近くが不払いとなる!」とも言われています。離婚時には最低限、離婚協議書の作成をお薦めします。
離婚原因:不倫による婚姻関係の破綻 配偶者と不倫相手への慰謝料請求
配偶者が不倫相手と同居するなどして、家族をないがしろにされ、その結果の離婚となれば、精神的な苦痛や経済的な損害は大きいです。判例でも不倫が直接の原因となって離婚に至った場合、夫婦関係が履修された場合に比べ高額な支払いを命じています。
離婚する元配偶者と不倫をした相手方双方への慰謝料請求も勿論可能です。
養育費・婚姻費用・離婚後扶養費については次ページ【
離婚協議書・公正証書】で一部例を記載しています。
婚姻関係が既に破綻していた場合
法律では「
不貞行為が直接の原因となって婚姻関係が破綻した場合」に離婚の申立てや慰謝料請求を認めています。逆に稀な例ですが、他の原因で既に婚姻関係は破綻しており、長い別居生活期間がある場合には、その後に生じた男女関係を原因としての慰謝料請求を認めなかった判例もあります。
公的福祉制度について 〜離婚後に受けられる助成制度〜
「児童扶養手当」
●支給条件
18歳未満の児童(20歳未満で中程度以上の障害がある児童を含む)を下記いずれかの状態で扶養している場合
◎父母が離婚した児童
◎父または母が死亡または生死不明である児童
◎父または母に1年以上破棄されている児童
◎父または母が1年以上拘禁されている児童
◎婚姻によらないで生まれた児童児童
◎父または母に重度の障害がある児童
◎父母ともに不明である児童
●支給金額
児童1人 |
月額9,810円〜41,550円 |
児童2人目 |
5,000円加算 |
3人目以降 |
3,000円加算 |
「児童手当」
●支給条件
中学校卒業までの子供を養育している場合(離婚の有無は関係ありません)
●支給金額
0歳以上3歳未満 |
1人につき一律月額15,000円 |
3歳以上小学校終了前 |
下記参照 |
┗ 子2人まで |
1人につき月額10,000円 |
┗ 3人目以降 |
1人につき月額15,000円 |
┗ 中学生 |
1人につき一律10,000円 |
その他、「
ひとり親家庭医療費助成」や各地の自治体による
公的支援制度があります。
所得制限により減額される場合もあるので確認が必要です。